おだやかな朝。

私は、ゆっくりと眠りから覚めた。そして、夢の中の出来事を反芻してる・・・。
その通りだ。
おいしい料理をもう一度ゆっくり味わうみたいに・・・。

夢の中で私は。キラキラした水の上を歩いてる。
夢占いによると、『澄んだ水』は、愛情豊かになったり感受性が高まっているそうだ。また、心が素直で純粋であることを告げている。らしい。

占いを信じる私は。
より一層、優しい気持ちになる。

私は。隣りで寝息をたてている『彼』に小さく『おはよう』を言った。そして。静かに起き上がって、伸びをひとつ。
『気持ちのいい朝!』


どんな夜も、夜明けが訪れて、まっさらな朝に繋がってる。
そんな事は、私が生まれるずっと前から、何千回も何万回も繰り返されてきた。そんな事は、わかってるつもりでも・・・。

嵐の夜は、物音に怯えてしまって、次の日の空が綺麗だなんて、思い出せない。小さな星の光さえ、見つけられない夜は、心細くて眠れない。
いろんな夜を越えて・・・。
私に今。穏やかな朝が訪れた。
ようやく。昨日までの私に『サヨナラ』が言える。
『今の自分が一番好き』って素直に言おう。

忘れてはいけないこと。ひとを愛すること。
自分を愛してあげること。
どんな夜も、まっさらな朝に繋がっているということ。

・・・3年前も。
こんな風に私は。穏やかで優しい朝を迎えていた。
まさか。嵐の前の静けさだなんて思いもしなかった。