語り:総司




一「あぁ。・・・・・・・・・俺は、あの人を諦めることは出来ない。諦めない。俺は、あの人が好きだ。」

ア「うん。」



2人を見つけて声を掛けようとしたら、こんな会話が聞こえてきた。




総(嘘・・・・・・・・・・・・・・・・・・一くんには好きな人がいる?・・・・・・・・・・・・誰なんだ・・・・・・・・・・・・・アヤに対して“あの人”て言ってるから、アヤじゃないよね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)




自分があり得ないくらい取り乱しているのが解る。それからも、その会話が頭から離れなかった。







その日、博貴とアヤのクラスは模擬店を出した為、片付けに時間がかかるから先に帰ってくれ。と博貴から連絡があった。







一「総司。」

総「!・・・・・・・どうしたの?」



ずっと考え込んでしまっていたみたいで、気付けば一くんと一緒に帰路についていた。



一「どうしたの?じゃない。それは此方のセリフだ。・・・・・・・・・・・・・普段騒がしいお前が、こんなに大人しくなるなんて。何かあったのか?」

総「・・・・・・・・・ねぇ、一くん。ちょっと、僕の家に寄って行かない?」



僕は覚悟を決めた。