ドアをあけると君は二つになっていた。
僕にはどちらが君なのか見分けがつかなかった。
君は君であるはずなのに。事実としての君はどこに行ってしまったんだろう。

僕は君に触れられない。どこまで行っても外見でしかなかった。曖昧な君でしかなかった。

僕は君のことをよく知っていると思っていたのにそもそも知る類のものではなかったのだ。

僕は右の君の首を絞めた。君の呼吸が止まった。

いつの間にか君は一つになっていた。ぐったりとした君だけが残った。

いや、これは曖昧な君でしかない。
現にどちらが君であるか、僕は惑わされたではないか。

本当の君を探さなくては。