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「せーんぱい!」
昼休みが待ち遠しくて、チャイムが鳴ったと同時に裏庭へダッシュ。
もうすでに先輩はいて、
ぐっすりと寝ていた。
「また寝たフリですか…?」
寝顔にドキッとする。
ホントに寝てるのかな…。
高等部の2年生はもう大学受験の準備してるって言うし。
寝かせておいてあげよっと!
私は先輩の頬に触れた。
触れた手が、熱くなる。
…先輩、好きです。
「ん…」
ゆっくりと先輩が目を開けた。
「起きちゃいましたか…」
起こさないようにしてたのに…。
「今日は俺サボりしてたから♪」
「そうだったんですかぁ? 勉強しなくて大丈夫なんですか?」
「普段の勉強量を考えれば、1日ぐらい大丈夫」
「ですよねー…」
私とは頭の容量が違うもんね…。
あっ、そうだ!
「先輩! 凪先輩からの伝言聞きました!」
「おー、聞いたか…。 それで、予定空けてくれるの?」
「はいっ!」
「よかった。 初デートだからな?」
「ですね♪」
先輩と付き合って、よかった。
大好きです…。
私と一瞬だけ目が合って、先輩は微笑んだ。
