私は思わず遠藤先輩の方を見る。
先輩は少し照れた顔をしてうつむく。
「私たちの教室からは、裏庭がよく見えるの。 いつも1人でお弁当食べてる桜ちゃんを見てて、珍しく拓が行動したと思ったら…、寝たフリなんて…」
あきれたような顔をして凪先輩が言う。
え…!?
寝たフリ!?
あれ、寝たフリだったの…?
「寝てたのは桜ちゃんと喋るために作った演技だったのよ? 拓ったらホント変だよね~」
「お前に変って言われたくないけどな!」
先輩は、私が先輩を思うよりも前から、
私のコトを思ってくれてたってコト…?
「じゃ、私はお邪魔みたいだから帰るわっ」
凪先輩はニヤッと不気味な笑みを見せ、
そのままファミレスから出て行った。
「先輩、一目惚れってホントですか…?」
「まぁな」
顔を真っ赤にした先輩。
可愛い…。
