次の日、提出しなかったノートをもう一度職員室に出しに行った。


先輩たちがいないかどうか、確認して。



正直会いたくなかった…。


なんかツラかった。


まだ知り合ったばっかりで、十分に話してもないのに、


失恋確定?


このショックは大きい。




ノートを出し終えて、私は教室に戻ろうとする。






「あっ、桜ちゃーん!!」




…やばい。


昨日聞いたばかりの高くてきれいな声で誰かが私を呼ぶ。


この人の顔見ると泣いちゃいそうなのに…!



振り向くと、そこには予想通り。


凪先輩だ。



「昨日は急にあんなことしてすみませんでした…」


「ううん、気にしないで♪ ところで私、桜ちゃんともっと仲良くなりたいの! 駅前で一緒にケーキ食べよ? ね!」



勢いに押されて、断れなくて。


凪先輩は良い人だ。


だから余計に…。


私は「はい」とだけ返事をした。