『…なに』
「もしかして…俺のこと…知らないの?」
『は?初対面でしょ』
ほんとは昨日会ったんだけど
今は髪の毛も瞳も朱くないから向こうは分からないはず
そっちのほうが都合がいいし
「はは、そっか…
俺の名前は高瀬亮
よろしくね」
『…よろしく』
また一人面倒くさそうなのが増えた
あの前の奴だけでもめんどくさいのに
「…あのさ、俺のこと怖くないの」
『は?』
「…え?」
何言ってるのこいつ
怖い?普通逆なのに…
『…なんで助けられた人を怖がらなきゃいけないの
確かにそんぐらいの殺気でも普通のやつだったら怖がるかもね
…でも私は普通じゃない』
最後のは声が小さくなったから聞こえたか分からない
「…殺気気づいたの?」
『うん…教室に入った時…女が嫌いなんでしょ
女が近づくと殺気が少し強くなってた
もちろん今も』
「…麗ちゃん、何者?」
あ、やばい
こんなこと言っちゃいけなかった?


