翌日。



教室の前で入るか入らないかで戸惑うあたし。


安藤くんと合わせる顔がないし…。


井上くんがもし今日に限って来てたら…。



もうだめだ!
どっちにしろ入らなきゃ始まらない!


ガラッ―――…。


「おはよ!加奈」
と友達の声が飛び交う。
それあたしも応えてチラリと横目をやる。



もちろん、男子の集まりのほうに。



井上くんは顔に生々しい傷を作っていて友達にからかわれている。
もちろん、遊びで。



「ねぇ!!加奈、昨日のこと知ってる?」



もしや!と感づく。


「昨日井上と安藤が殴り合いしてたらしいよ〜」


知ってる、なんて答えられなかった。