シュガーズ



さぁ どうしよう

今日は帰ろうかな




「サボリ魔」

「………。」





「よっす 知永」

「……秦野君?」



今 授業中のはずなんだけどな

なんでこの人ここにいるんだろ



「なんで疑問系?」

「……ごめん」



名前に自信がなかったわけじゃないけど

なんとなく



「゙なんで?"とか聞いてくんないんだね」

「………。」

「冷たいねー」



あたしはベンチから立ち上がってスカートを払う



仕方ないな



「……なんで?」

「見てた」


見てた?


「あそこから」


空を指をさす

空?

違う


「俺 視力いいからさ」



屋上だった




「わりといい眺めなんだぜ?」




そういえばこの人

あんまり授業に参加してないみたい

いつも寝てたから気づかなかったんだけど……



「優しーね あんた」

「……冷たいんじゃないの?」




「そうだった」



秦野 稚空が笑う



「面白いなぁ」

「………。」



面白くない



「あれ どこ行くの?」

「帰る」

「教室?」


スタスタと歩くあたしの横に並ぶ



「………家」