遠くのほうで少しだけ
生徒たちのはしゃぎ声が聞こえる
どうやら
1限目が終わったみたい
「……どうする?」
隣にいる横江さんに聞く
泣き止んでるしだいぶ落ち着いたみたい
だけど
今日は帰ったほうがいいんじゃないかな?
「教室 戻るね」
「……そっか」
「コンクール近いから部活休みたくないの」
そう言って
ベンチから立ち上がった
なんだかんだ言っても横江さんは強い
「ありがと 知永さん」
振り返った彼女は笑顔だった
あたしはもう少しここに残ろう
今 横江さんと一緒に教室に戻ると変に思われる
いつもだったら
そんなこと気にしない
あたしは人と関わることをやめたから
でも
横江さんのことは守ってあげたい
゙なんだかんだ言っても強い"
だけど
゙ほんとはとても弱くて繊細"
「2人で話したこと」
少し前のあたしみたく
「内緒ね?」
あたしがそう言うと横江さんは少し俯いてから頷いた
今までみたくしてればいい
横江さんは
あたしに構わないほうがいい
女って面倒くさいから



