「横江さん おはよ」
昨日の子
やっぱり同じクラスだった
゙横江さん"
「おはよ 藤森君」
あたしの席を通り過ぎるとき
一瞬 目があう
「………。」
「………。」
お互いに何も言わない
横江さんはふいっと顔を背ける
安心してほしいな
そんなことしなくったって別に
あたしから挨拶しようなんて思わないから
ちゃんとわかってる
嫌われ者のあたしに声なんかかけたら
自分の友達と気まずくなる
特に
あたしのことが大嫌いな佐倉さん
誰だって自分が大切に決まってるよ
そんなの当たり前
全然 友達いなかったあたしが言うのも変な話だけど
横江さん 人間関係とか苦手そうだし
昔のあたし
見てるみたい
人はそんなに強くない
それに
あたしと横江さんば友達"じゃない
「衣都」
「……はい」
「呼んだだけ」
「………。」
にっこり笑う藤森 晴緋
「あ……」
「ん?」
「バイトやります」
噛まずに言えた
「わかった」
なんで丁寧語?
って笑われた



