「あ……いや ごめん」
なんか謝られちゃった
「………。」
どうしよう
立ち止まっちゃったせいであたしと彼女
微妙な間合い
呼び止めたなら
なんか言ってよ
非常に気まずい
「……キャバクラ」
「え?」
「バイトしてたって本当?」
知ってるんだ
あっ
思いだした
この子 藤森 晴緋たちとよくいる女の子
名前は確か……
えーっと
誰?
「してたよ」
「………。」
嘘ついたって
「皿洗いだけど」
「……え?」
仕方ないよね
「皿……洗い」
そう言ってあたしの言葉を繰り返す
「そっかぁ」
やがて
納得したかのように笑った
「あたし 誤解してた」
「………。」
「あっ……ごめん」
目線をそらして俯く
どうやらこの子の癖みたい
「うん 別に」
「ごめんねっ」
また謝られた
「………。」
「………。」
またまた沈黙
「それじゃあ」
「うん……またね」
ようやく教室を出る
藤森 晴緋とも
秦野 稚空とも
なんか違う
なんかすごく緊張した



