「………あった」
制服のポケットでグチャグチャになってた紙
携帯番号の書かれた紙
『ちゃんとかけてよ 友達なんだから』
次々と浮かんでくる言葉
友達って言ってくれた
カレの笑顔
「………。」
それなのまだ渋ってるあたし
携帯と紙切れを机の上に並べて
考えること30分
時計の針は9時をとっくに回っていた
たぶん
これを渡してきたときはきっと
あたしのウワサ知らなかったんだよ……
今かけたら迷惑がられる
時間も時間だし……
そう思う自分と
それならなんでさっき家の前にいたの?
心配してたんだってさ
そう思う自分がいる
「………。」
人と馴れ合うのは苦手
藤森 晴緋に話したところで解決しないことはわかってる
だけど……
このままじゃラチがあかないことだって
ちゃんとわかってる
意を決したあたしは携帯電話を手に取る
紙に書かれた番号を恐る恐る1つずつ押していく
3コール
しても出なかったら切ろう
それから着信拒否をしよう
深く息を吐く
吸う
吐く
あたしは発信ボタンを押した



