お母さんは

頻繁にお見舞いに行く早苗さんのことを信頼してる

お父さんの゙幼なじみ"として信頼してる

なんか可哀想


バイトをヒミツにしてくれてる早苗さんをあたしは信頼してる

だけど

相談できない理由はそこにある



「………友達」


今日 何回目だろう

あたしが呟くと


「眞子 お友達たくさんいるよ!!」


って眞子が言った


昔から

わりと優柔不断なあたしは決めるのが苦手

人と馴れ合うのと

同じくらい苦手



PM 20:30


「………。」


時間だけが過ぎていく


「眞子 もう寝よっか」

「………うぅん」


眞子は眠たくなると無意識のうちに口をモゴモゴさせる癖がある


あたしは眞子を抱きかかえて部屋に連れて行った


「おやすみ」



朝からハイテンションだったから

疲れちゃったんだろうな



眞子を寝かしつけてリビングへ戻る


「………。」


さて どうしよう




『力になりたいって気持ちはウソじゃない』


ふと


藤森 晴緋の言葉を思い出す


『俺 知永さんの友達になりたいんだけど』


「………。」


あたしは立ち上がって自分の部屋へ向かう