「衣都ちゃん 彼氏いる?」

「………いません」


それどころか友達すらいません


「そっか」


なんでそんなこと聞くの?

早苗さんを凝視する




「いや……さっき家の前で男の子にあって」

「男の子?」

「そう イケメンの」

「………。」


誰?


「じぃっと立ってたから『どうかしたの?』って聞いたらね」

「………。」


泥棒?



「『友達』だって」

「……。」


ヤツか……



「黙って家なんか見てる友達なんかいないでしょ?」

「………はい」



「だから彼氏かなって思って」

「違います」



あたしはすかさず断言した



「心配してたわよ 衣都ちゃんのこと」

「………。」


あたしの家を知ってるってことは

間違いなく藤森 晴緋


ストーカー?




「じゃあ あたしはそろそろ……」

「早苗おばちゃん帰っちゃうの?」

「また来るね 眞子ちゃん」



早苗さんが眞子の頭をポンポン撫でる



「今から舞子(マイコ)さんのお見舞い行くから」

「………。」



舞子さん

うちのお母さん




「じゃあまたね」

「……さようなら」