また

知永 衣都か……




「好きなんじゃない?」



あたしよりは好きって言った彼のことを思い出して言う


別に


根に持ってなんかないよ?



「……どうだろ」



てっきり芽依ちゃんは

『まっさかぁ』

って笑うと思ったのに


下を向いて考え込んでしまった


冗談とか通じないタイプだよね

扱いにくいなぁ……



「芽依ちゃん」



何よ


なんだかんだ言ってもやっぱりまだ未練でもあるわけ?



「知永さんの停学っていつまでだっけ?」



しょっちゅう下を向く芽依ちゃんに

知ってて質問する



この子 あたしといても楽しくないの?


むしろ感謝してよ


詩ちゃん
りっちゃんとは違う


ギャル系じゃないあんたのこと

仲間に入れてあげてるのはあたしなんだけど




「たしか……月曜日までだよ」



「どうするんだろうね」



廊下で先生と知永さんの会話を聞いていた子が言ってた


退学か
バイトをやめるか



もう やめちゃえば?


どうせ授業中も放課も寝てるんだから

ここにあんたの居場所ないよ



まぁ どっちにしても

あたしには関係ないことだけど