「澪梨ちゃん おはよ」

「おはよォ」

「ちょっと…いいかな」


この人はたしか隣のクラスだったタクミ君?

待って

タクヤ君だったかも…

後ろをちょこちょことついてきながら考え中



「俺と付き合って」

「……え でも彼女さんがいるでしょ?」

「別れたよ 俺…もう澪梨じゃなきゃだめなんだ」


馴れ馴れしく呼び捨てしないで欲しいな

あたしはわざと困った顔をする

俯いてみる


「澪梨が好きなんだ」


案の定 抱きしめられる

キモ……
触んないで欲しい


「タク君…ごめん」


自信ないからアダナ風でいいや


「あたし…男の子と付き合うのとか今はまだいいの」


嘘だけど


「タク君が嫌いとかじゃないんだよ?」


嘘だけど


「だから……ごめんなさいっ」


ダメ押しで泣いてみる


「泣かないで…こっちこそいきなりごめん」


ここまですれば誰でもさすがに引き下がる


「これからも…仲良しでいてね?」

「もちろんだよ 澪梨ちゃん!!」



ポイントは

『好きな人がいる』

って言わないこと


詮索されると面倒だし

あたしに好きな人がいるって噂が広まったら何かと面倒だから