「バカだよねー あいつ」




りっちゃん

たぶん一緒にいるのは詩ちゃん


「今度は何してやろっかー」


教室の扉の前で足を止めて 会話に耳を傾ける

残って何してんのかと思ったら作戦会議

まだこりてないんだ

知永 衣都のことこれ以上どうするつもり?

あたしが裏切ればあんたなんか終わりなのに

秦野君にりっちゃんのこと売ることなんて簡単

大事じゃないもん

あんたのこと



「嫌がらせがあたしらだって気づいてないんじゃね?」

「うちらに内緒で祐夢先輩に手ぇ出したんだしこれくらい平気っしょ」

「それにしてもバカだよね」



…………え 何?



「目撃者だってたくさんいんのに他人とか無理あるよね」

「嘘バレバレじゃん」

「しかも知永 衣都のとき口答えしてきたじゃん?」

「ないよねー」


あぁ……なんだ

そういうことか

最近激化してた嫌がらせは嶋林先輩の元カノじゃない

りっちゃんたち

ちょっと考えてみればわかったはず

衣都ちゃんが襲われた次の日からじゃん

嫌がらせ

利用してたのはあたし

そのつもりだったのに油断してた

裏切らないと思ってた

あたしはやっぱりバカだ