「あ……筆箱 教室においてきちゃった 先行ってて」
「ついてこっか?」
「大丈夫 ありがと」
移動教室
りっちゃんたちに断って1人で教室に戻る
めんどくさいなぁ
次の授業に間に合わないじゃん 最悪
「澪梨ちゃん」
ふと 名前を呼ばれて足を止める
振り返って思わず顔をしかめる
嶋林先輩
「………気安く呼ばないでくれますか?」
「澪梨ちゃん 久しぶり♪」
「呼ばないでって言ってるでしょ」
誰かに見られたらどうしてくれんの?
あんただって彼女に見られたら大変なくせに
あたしは冷めた目で嶋林先輩を睨む
「ねぇ 4限さぼろうよ」
「嫌です」
「いいじゃん 俺 欲求不満なんだけど」
「……先輩の下半身事情なんて知らないんですけど」
始業のチャイムが鳴る
あーぁ
結局 間に合わなかった
「秘密」
「…………え」
「それならいいでしょ?」
嶋林先輩があたしの手を引いた
「ちょ……やだっ」
連れ込まれたのは自習室
この時間は先生も生徒も絶対に来ない場所
「先週 彼女と別れたんだ」
「え………先週?」
「お前が忘れられなくて振った」



