「衣都ちゃん」
「おはよ 芽依ちゃん」
「聞いてよぉ 昨日ね 何回電話しても和哉出てくれなかったの……」
「え……あ そうなんだ」
「あたし……なんかしちゃったのかな?」
言えない
とても言えない
あたしと榊原君が一緒にいたなんて
「……衣都ちゃん?」
黙るあたしの顔を心配そうにのぞき込む芽依ちゃん
「どうかした?」
「ううん……なんでもないよ」
上手く反応できてないことくらい自分でもわかる
明らかにぎこちない会話になってることがわかる
芽依ちゃんもきっと気づいてる
だけど彼女は何も言わなかった
あたしも それ以上何も言えなかった
確認したら芽依ちゃんとの今の関係が崩れちゃうような気がした
過去よりも 今が大切
あたしは間違ってないよね?
「衣都ちゃん」
「………何?」
「これからも仲良くしてね」
「うん……」
なんで芽依ちゃんがそんなことを言ったのかあたしにはよくわからなかった
あたしが頷くと芽依ちゃんは安心したように笑った
「じゃあ あたしは部室行ってから教室行くね」
「うん また後で」
廊下で芽依ちゃんと別れて1人教室に向かう



