女の子はこわい
集団はこわい
噂はこわい
人の力ってこわい
あたしはそれを充分にわかっていて あたしはそれに慣れていた
聞かないふりだって気にしないふりだって得意になった
1人でいるほうがマシだって思っていた
「あたし……何もしてないのになんで変な噂流されてるの……?」
泣き崩れる橘さんを見ながら思う
人の輪に入ることを選んだ今のあたしは傍観者
もうみんなと一緒の存在なんだなって思う
何もしないのは罪だ
傍観は罪だ
あたしは何もわかってなかった
家に帰って鏡を見る
やっぱりあたしには馴染まない気がする
「衣都姉ちゃん すっごいすっごい可愛い!!」
眞子が目をキラキラ輝かせて言う
「ありがと 真子」
「いいないいなぁ 真子も髪の毛クルクルにしたいっ」
「高校生になったらね」
笑顔で眞子の頭をなでる
橘さんは……嘘をついてる
あの日
あたしと秦野君が一緒にいるとき見た
同じ学校の先輩と歩いてる橘さん
彼氏でもない男の子とホテルに入っていった彼女を
かばうことも責めることもできないあたしはやっぱりただの傍観者なんだろうな



