「衣都ちゃん 稚空君っ!!」
「あ……芽依ちゃん」
ひらひらとあたしたちに手を振る芽依ちゃん
隣には彼氏 榊原君
紺色の浴衣を着た芽依ちゃんがあたしたちに駆け寄る
繋がれた手を見て笑顔になる
「稚空君」
「何?」
「衣都ちゃんのこと絶対離しちゃダメだよ」
「………。」
「今度は離しちゃダメだからね」
゙今度"
「じゃあ衣都ちゃん またねっ」
「………うん」
榊原君と一緒に人ごみの中に消えていく芽依ちゃん
去り際の言葉が少し気になる
「行こうよ」
秦野君があたしの手を引く
「あ………」
同時にあたしの足が止まる
繋いでいた手を自分から離してしまう
視線が止まる
あ………だめだ
何してるんだろう あたし
「ハル君……」
「あれ 衣都と稚空じゃん」
「よう ハル」
「いいよなぁ 彼女と夏祭りとか青春じゃん」
ハル君と一緒にいた男の子が言う
「暑いね~」
「うっせぇ」
冷やかすような口調に秦野君が小さく呟く
「行こ 知永」
「………うん」
ハル君たちに背を向ける
人ごみをかきわけて秦野君はどんどん進む



