「澪梨ちゃん」


何よ

やっぱりヤリたかっただけなんじゃん

全く予想できてなかったわけじゃないんだけどね

知ってで行く"って言ったの


ただ学校から直でホテルになるとは思ってなかったんだけどさ



「はじめて?」

「………。」


違う

あたしはそんなに純粋な子じゃない

キレイな子じゃない

肯定も否定もしないでただ目を閉じて考える


もう後戻りはできない

大丈夫?

いいよ

あたしなんかどうなったって

どうせ汚れた子なんだから


「優しくするよ」



祐夢先輩があたしの身体にキスを落とす


安っぽい女にだけはなりたくなかった

高校生になったときに決心した

それだけがあたしのポリシーだった

でも 全部 過去形



「ん……」


セックスは嫌い

男なんて嫌い

みんなあたしの外見しか見てないんだもん


「………ゃっ」


目を閉じて思うのは晴緋君

掻き消してよ

あたしの中から



「澪梨 好きだよ」


欲しかった言葉

あたしはずっと愛されたくて 必要とされたかった

その言葉を好きでもない人が言う


うん でもいいや

もう誰だっていいか