「橘 澪梨ちゃんだよね?」

「………はぁ」


なんだ こいつ


「俺ねー 3年の近藤 祐夢(コンドウ ヒロム)」

「………。」

「知ってる?」


近藤 祐夢

聞いたことある


3年生で1番モテて1番チャラい

ただ彼女は今までで1回もいたことがない

誰に対しても身体だけの関係でたくさんキープがいるって噂


「……知ってるよ」



めっちゃ有名人だもんねー

そんな近藤さんがあたしに何の用かな?


「1回ね 澪梨ちゃんとゆっくり話してみたいと思ってたんだァ」

「………。」


あたしは話すことなんかないんですけど


「ここで会ったのば運命"だね」


にっこり 笑う

あれ

近藤さん わざとぶつかってきたって言ったよね?

運命じゃないじゃん……



「ねぇ この後ひま?」

「………まぁ」

「遊びに行こうよ」



こんな危ない誘い

今までのあたしならはっきり断ってたんだと思う


でも……

自信喪失中のあたしは曖昧な返事をかえした


遊んだら忘れられるかも

このイライラも
むしゃくしゃも
モヤモヤも

晴緋君のことだって



「行く」


だからあたしは頷いた