「ハル兄ちゃんっ」



眞子がハル君に抱きつく


どうやら

あたしよりもハル君みたい





「遊ぼーよ」



玄関先


眞子が袖を引っ張りながら言う




「でも雨だからなぁ……」



困ったように呟くハル君



「おうちで遊ぼーよ」

「え?!」



家?



「いいでしょ 衣都姉ちゃん」

「………うん」




同級生の男の子を家に上げるのかぁ


初体験



「ねっ ハル兄ちゃん」

「衣都がいいなら」



ハル君が笑顔で眞子の頭を撫でる


いっか

眞子が笑ってくれるならそれで



あたしが変に意識することなんてない

ハル君とはちゃんど友達"



「みて 衣都姉ちゃん」



夕食の準備をするあたしに眞子が駆け寄る



「よく書けてるね」



猫?

いや クマかも



「ハル兄ちゃんが書いてくれたの♪」

「………よかったね」



へたくそ

てっきり眞子が書いたのかと思った


なんだかおかしい



「ハル君」

「ん?」



リビングでまだ何か書いてるハル君に声をかける



「夜ご飯 食べてく?」



うわっ


なんかあたし保護者っぽいかも……