「てかお前ら 一緒に遅刻とか仲良しじゃーん♪」

「もしかして わざとですかぁ?」


男の子たちがあたしたちを冷やかす

本当に迷惑


あたしは誰の目も見ないで自分の席に座った


「違うよ たまたま昇降口で知永さんにあって 一緒にダッシュしただけだって」


笑いながら状況を説明する゙藤森"君


「まじになんなよ~ 冗談だって」


明らかにクラスの中心的存在

あたしとは違う種類の人間


「………。」


あたしは遅刻とか気にしないし

ありがた迷惑なんだけど


1つだけ気になることがある


『知永さん』

って言ったよね?

あたしなんかの名前……知ってるんだ



あたしの横に座るカレに視線を送る


目があう


「さっきはごめんね いきなり引っ張ったりして」


「………。」


「俺 藤森 晴緋って言うの よろしくね」



そんな笑顔で言われても困る


あたしは何も答えずに視線を外した


名前知ってるならなおさら


なんであたしに話しかけてくるの?


なんとなくだけど

この人とは関わらないほうがいい


あたしはそのまま机に突っ伏した

愛想悪いって思われたって仕方ないよね