「じゃあね」

「………。」



芽依ちゃんは最後まで顔をあげなかった

何も言い返さないでずっと下を向いてた




『澪梨ちゃんのせいじゃん』

って心の中では思ってるでしょ?


何 思ったって別にいいよ


ただ

どれだけあたしのほうが悪くても

あたしが嫌いでも

芽依ちゃんが折れなくちゃダメだよ?


必ずあたしの手を握る




和哉君が芽依ちゃんのところに戻るのも

芽依ちゃんがあたしたちのところに戻るのも


時間の問題だと思う





「お待たせ」



廊下で待っていてくれた2人に駆け寄る



「ほんと優しね」

「ほっとけばいいのに」


バカだから2人は何もわかってない


正面からぶつかるだけじゃ世の中上手く渡れない

人間関係なんてやってけないよ?


みんな無意識のうちに強さを求める

多数を求める

独りを恐れて生きてる





「あ……」


あっくんたちと話すカレの姿を見つける



「晴緋君っ」



にっこり笑顔を作ってカレの名前

みんなの中にいる晴緋君を呼ぶ



まだこれから

始まったばっかりじゃない


アピールしてないなんて言わせないんだから