−道路−


柚羅は唇を服の袖で覆いながら、ズンズンと歩いていた。


柚羅(アイツ、いきなり何すんのよ…。)


柚羅「蓮の…バカ……。」


だけど私は、イヤではなかった。
蓮にキスされてイヤではなく、なぜか嬉しいと感じてしまった。


そんな私が情けなくて、恥ずかしくて仕方なかった。


私はその時、もしかして惹かれ始めてると、薄々だが思った。


柚羅(アイツがあんなことするから、頭から離れないじゃないの…。)


柚羅は家にと着いた。


その後、柚羅の頭から蓮が離れることは無かった。


ご飯を食べるときも、お風呂に入っているときも、勉強をしているときも、テレビを見ているときも、ずっと蓮が頭にいた。


柚羅「あぁ、もうっ。」


柚羅は頭から離れない蓮に気を取られて、集中出来なくなったので、布団の上へと仰向けに寝そべった。


柚羅はパステルピンクの自分の部屋の天井をボーっと眺めていた。


柚羅(ハァ…。頭から、アイツが離れないや…。)


柚羅はバタンと寝返りを打った。