蓮(コ、コイツ、今初めて俺の名前を…。)


蓮の脈は早くなり、心臓も高鳴っていた。
だから、柚羅にバレないように平生を装った。


蓮「あぁ。あん時助けたのは俺だよ。」


柚羅「そ、そうなんだ。あ、ありがと…。う、嬉しかった…。」


柚羅は顔を真っ赤にしながらそう言った。

蓮「お〜?お前顔、真っ赤だなぁ!」


柚羅「ち、違う!この部屋が暑いだけよ!」


蓮「照れんなって(笑)」


柚羅「て、照れてないもん!」


柚羅が怒って、ベッドから立ち上がった時だった。


フラッ


柚羅(ヤバッ、倒れる!)


ドサッ


柚羅(あ、あれ…?痛くない…。)


蓮「ったく、お前はほんと、危なっかしいな。」


柚羅が倒れる間一髪に、蓮が柚羅の腕を引っ張ったので、蓮が仰向けに、その上に柚羅が乗り、蓮の胸に抱かれている状態だった。


柚羅(わ、わぁ、何この体制、恥ずかしいよっ。)


柚羅は自然と顔が真っ赤になっていた。


蓮「まだ、体調が戻ってないんだ。大人しくしとけ。」


柚羅「う、うん…。」


柚羅(どうしてだろ…。ずっとこうしていたいって思うのは…。)


蓮「どした?顔赤いな。熱があるのか?」

蓮は柚羅のおでこを触って熱が無いか確認した。


蓮「熱は無いみたいだな。」


柚羅「うん……。」


柚羅(蓮の心臓の音…。なんか心地いいなぁ…。)


蓮「なぁ、柚羅。」


柚羅「なぁに…?」


蓮「俺に惚れた?」


柚羅「え…。」


柚羅は顔を上げて蓮の顔を見た。


蓮は真剣な表情で柚羅を見つめながら、もう一度言った。


蓮「俺に惚れた??」