男子「だ、誰だ!」


*「お前ら、今すぐそいつからその汚ねぇ手を離しやがれ!!」


柚羅(誰だろう…。あの人影…、蓮にそっくりだ…。)


柚羅は意識が遠のく寸前だった


柚羅(ううん…。蓮が助けに来てくれるわけない…。)


私はそう思ったとたん、そこで意識が無くなった。
この後のことや、その前に何があったのかもあまり覚えていない。


私の意識が戻って、初めて見たのは見覚えのない白い天井だった。


柚羅「う、うぅ…。」


柚羅(こ、ここはどこだろう…。)


柚羅は半分だけ目をあけた状態で周りを見渡した。


どうやら私は、知らない人の部屋に来て、ベッドで寝ているんだ…。
柚羅はそう考えた。


柚羅の体は押さえつけられていたせいなのか、思うように動かなかった。


柚羅(体が痛い…。)


ガチャ


*「お、目が覚めたか。」


部屋に1人の男の人が入ってきた。


その途端、柚羅の顔は恐怖に変わった。


柚羅「イ、イヤァッ!!」


柚羅の顔は恐怖で青ざめ、カタカタと震え、布団で身を隠しながら男を見ていた。


蓮「おい、俺だ!蓮だ、松崎蓮だよ!」


柚羅「イヤよ、イヤ!!触らないで!!」


蓮が柚羅に触り、自分は蓮であると確信させようとしたが、柚羅はその手をはねのけた。


蓮「おい!!」


グイッ


蓮は、らちがあかないと思い、柚羅の両頬を持ち、無理矢理自分の顔に近づけた。


蓮「柚羅、わかるか??俺だ。蓮だ」


柚羅「れ、蓮…?」


蓮「あぁ、俺だ。安心しろ。」


柚羅「れ、蓮だぁ〜…。」


柚羅は安心したのか、大泣きし始めた。


ギュッ


蓮は柚羅を強く強く抱きしめた。


蓮「怖かったな、苦しかったな。」


柚羅「うわぁぁ〜ん。」


蓮「もう大丈夫だから…。俺が…、俺がお前を守るから…。」


蓮は小さな声でそう呟いた。
柚羅は蓮の大きくしっかりした腕に抱かれながら泣いていた。