そう言って木下くんは 私を離して 教室に帰ろうとした。 「ちょっと木下くん待って!」 そしたら木下くんが クルッと私の方に体を向けてこう言った。 「“木下くん”はもうやめろ。下の名前で呼べ」 「無理だよ」 「ぢゃあ慣れるまでいいよ」 そう言って木下くんは屋上を 出ていってしまった