あたしは心臓が一気に動きを速めたのがすぐにわかった。




少し震える親指。




メールを開く。




さっきまで寒かったのに、暖房も点いていることもあり暑い。


冬なのに少しほんのり汗ばんできた。






“今から会えないか?”


“瑞希の家に迎えに行くから”



了解です、それだけ打って返信した。




あたしはついさっき収めたばかりのバックと上着を出し、出かける準備をした。




(あっ、変装しないと)





久しぶりに被るウィッグは暖房のおかげで少し暖かい。


マスクを着けて、玄関に向かった。