4月の雪は溶けなかった




食べ終わったけど、まだ色々お喋りしたい気分だったのでデザートを追加で頼んでもうしばらくいることにした。





「せんせー、そろそろグラサンも外しても良いんじゃない?」



「俺もめっちゃ外したいんだけど…万が一ってことがあったらいけないからなあ。」



「そっかー、まあそうだよね。」





ちょっと残念だけど、ばれるよりかなりまし。





「いつも学校で見てるのに…」




「学校では古典の先生、今はあたしの恋人のせんせーでしょ?」



「でもその割にはいつもせんせー、だよな?」




せんせーが少しにやけてあたしをからかうような目で見てくる。





「あたしの中では、学校では『先生』、プライベートでは『せんせー』っていうつもり〜」




あたしは指でテーブルに『先生』と『せんせー』を書きながら反論した。




「ええ〜、それは屁理屈だろ〜」




2人で笑い合っていると、頼んでいたデザートが運ばれて来た。