「…………井上は俺にとって教え子だし、勤め先の生徒だ。でも、何か違うんじゃないかって思うこともしばしばあった。」 「…せんせー、それって………」 「あぁ、俺、井上に惹かれていってる。俺にとって他の生徒と井上は違うんだ。」 何か言いたいのに、やっぱり言葉が出ない。 「……俺、井上が好きだ。先に言われてしまったけどね。」 せんせーはそう言って微笑みながらあたしを抱き寄せた。