私は部屋を出た。 息苦しいから。 私の所為で、お母さんがあんな風になってる姿を見るのが……。 お父さんはずっと「麻美!」と叫んでる。 雷斗はお父さんを抑えてる。 エレベーターではなく、階段に向かう。 エレベーターで行っては…誰か知り合いに会いそうな気がしたから。 一段、また一段。 呼吸が乱れていく。 一段、また一段。 今までのこと、たくさん思い出す。 楽しかった、あの日々と……辛かった、あの日々。 今では、いい思い出として処理できる気がする。 結局私は……“死”を選んだ。