「アイツに…お前をとられたくない」 そう言って、強く抱きしめてくる雷斗。 「私は…雷斗から離れないよ」 私も強く抱きしめた。 雷斗の温もりを感じる。 「雷斗……?」 全く動かない。 頭だけ離して、雷斗の顔を見てみる。 また眉間にしわがよっている。 ある一方を見つめて。 「雷斗?」 ハッと気づいた雷斗は慌てて力を緩めた。 「どうしたの?」 「……あぁ、なんでもねぇ」 嫌な予感がする。