「俺にもわからない。 でも、ひとつだけわかることがある。 俺はお前に今初めて触れて、触れている間は海のことを考える余裕もなかった」 実桜は重なっていた手に力をこめた 「私もそうだった。 初めてってこともあったけど、今まで満たされていなかったものが、 花恋への気持ちが渉の温もりで消えた気がしたよ… 初めてだったからかな?」