「違うよ。実桜…。 お前が、雰囲気に流されてるから、俺まで流されないようにするためだよ 簡単に愛してる女の身体なんて、抱けねーよ」 実桜は、数分、嗚咽が納まるのを待っていた。 そして、弱々しい声で 俺に言った。 「雰囲気に流されてなんかない。 私も、渉を愛してるって気づいたから… 何より、刻んで欲しかったから、『お前は俺のものだ』って…だから」 実桜…。 お前も、同じ気持ちなのか?