「大丈夫か、実桜…」




実桜は、俯きながら、ゆっくり口をひらいた。



「……駄目かもしんない。」

微かに、声が震えていた。


「…渉、教えて…

みんな、一体何が嬉しいの?」


実桜は、さっきよりも、しっかりした声で、俺のほうを向いて言った。



「笑っちゃうよね?
フフ
まるで、ドラマじゃん。
本当の娘じゃありませーんって!!!
フフ

…………でも、血は繋がってて、本当の両親は記憶を失って、偶然にも戻って、家族3人で暮らせる日が来ただって…」