「…おまえ、ほんとバカだろ?」
「うるさい!そのバカをずっと好きでいるなんて、あんたのがバカじゃん。」
そう言いながら、祐輔の背中に手をまわす。
祐輔のぬくもりに、涙が止まらなくなる。
「ははっ、オレら超バカップルってことだ。」
「バカ…」
「でもさ、マジでオレが他の女に惚れてたらどーすんのよ?オレがフラれた側なんですけど。もーぜってぇこーして抱きしめることなんて出来ねぇと思ったし!」
あたしのおでこに、祐輔のおでこがくっつく。
少し意地悪く、祐輔があたしの目を見つめる。
「…それは、別れた時に覚悟してたもん。ずっとあきらめられなかったけど、でもまさか、こんなことになるなんて思ってなかったし。祐輔がずっとあたしを好きでいてくれたのも不思議っていうか。…でも、あたしたちは、今こうしてここにいるから。」
「あぁ、そーだな。やっぱ運命ってあんだよな。」
「うん。あたしも思った。あたし達が、幼なじみとして出会ったのも、6年後にこうしてまた出会えたのも、偶然なんかじゃなくて、この世界の必然で。いくら ”もしも” を想像したって、これがリアルに今起こってる事だから。きっとこの6年は、あたしにとっては必要な時間だったんだ。離れてたから、思えるの。もう何があっても、祐輔のそばを離れない…」
「あぁ、もう離れたいって言っても、はなさねぇ。」
そう言った祐輔に、またきつく抱きしめられる。
どうしよう
あたし今、一生分の幸せ使ってるかもしれない…

