彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった



『あ、突然、変なこと言ってすいません!でも、どーしても杏里さんに見てほしくて。お願いです、2時から、テレビ見てもらっていいですか?』

「うーん、そう言われても…」

困ってしまうあたしに

向かいに座る優斗君が、ジェスチャーで携帯を指さす。

そっか、ワンセグ…


「あ、多分大丈夫です。携帯で見ます。でも何で?何がやるんですか?」


レイナさんのただならぬ雰囲気に

何か胸騒ぎを感じる



『…祐が、記者会見をするんです。今さらって、思うかもしれません。でも、どーしても、見てほしいんです。お願いします!』


レイナさんの言葉が、


頭の中でこだます。



祐輔の記者会見?


どしてあたしに関係があるの??



レイナさんと交際宣言するとこを、あたしに見せたいってこと?


「意味が、分からないんですけど。レイナさん、もしかして勘違いしてる?あたしと祐輔は、昔付き合ってたってだけで、今はもう…」

『知ってます!その、詳しくは言えないんですけど、絶対見てくださいっ!!!あ、あたし仕事だから行かなきゃ。じゃっ』


プッ、ツー、ツー



???