彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった



「で?最初はどこ行くの?」

優斗君が楽しそうにあたしを見てくる。

何だかホントにデートみたいで、またドキドキしてくる。

「えっと、最初はちょっと隠れ家的な感じのね、可愛いレストランがあるから。そこ。今はまだお昼にはちょっと早い時間だけど、雑誌の企画的にはランチから始まるデートって感じで。デジカメで色々撮影もしたいから、実際の雑誌の設定より早め早めな感じで行動してくの。」

緊張をごまかす為、仕事の説明も入れて、デートっぽい雰囲気をわざと消すように言った。

「そこは実際の撮影と一緒だね。早め早めにやってかないと、ホント最後おすもんなぁ。」

一緒に半年も仕事してきた彼だから、納得しながら少し思い返す感じで微笑む。

「僕もなんか勉強になりそうだな、他の仕事の撮影のロケハンとかの時に。今日やっぱ来て良かったよ☆」

そう言ってこっちを見て笑った彼は、すごく優しい顔してた。

きっとあたしが、優斗君に仕事突き合わせて悪いなって思わない用に、気をきかせて言ってくれたんだと思う。



優しすぎて、少し切なくなるよ…