「ごめん、杏里ちゃん!待った?」

そう言って、改札から出て来たのは…

「えっ!?優斗君が何でここに?」

「えっ?咲さんから言われて来たんだけど、聞いてないの?」

あたしは首を横にふる。

咲、何してんのっ!?

確かに酔っぱらって、盛り上がった時は協力するとか言ってたけどさ。

今日一応仕事なんですけど?!

「そーなんだ、もしかして咲さん、仕組んだかな…/// あのさ、下見。デートスポットでしょ?男と行った方がより分かるコトもあるだろうからって。撮影イイものにする為に、杏里ちゃんに協力してあげて欲しいって言われて、引き受けたんだけど…」

優斗君が少し照れくさそうに、頭をかく。

「はぁ、ったく咲ってば勝手なコトしてくれて。サボったな。ごめんね、優斗君。せっかくの休日でしょ?あたしの仕事に付き合わなくてもイイよ?」

気まづい空気になりそうだったから、あたしは明るくそう言った。

優斗君を連れ回すのは、やっぱりちょっと気がひけるし。

下見ぐらい、あたし一人でもいっかって思ったんだけど。

「優斗君?」