彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった



「ごめん。ホントのコト言うとさ、あたし悲しかったのかも。あたしは今だにこぉんな引きずっててさ、動揺しまくって。でも祐輔はキッパリ過去のコトになってて。どっかでまだ期待してたんだよね、祐輔の気持ちはあの頃から変わってないって。もう6年もたつのにさ、ありえないし。勝手にムカついて、あたしのワガママ。ホント最低…」

「そんだけまだ好きってコトでしょ、しょーがなくない?ソレばっかりは。はいっ、もっと飲め!」

咲があたしに新しいワインの入ったグラスを渡してくれる。

「あーぁ、アイツのコト忘れられるぐらいのイイ男、どっかにいないワケ?」

そう言いながら、ワインをぐいっと飲みほす。

このどーしようもない気持ちも、一緒に流しこむように。

「近くにいるじゃん、わっかりやすくアピってる年下の彼が☆」