彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった



祐輔と、目があったまま時が止まった気がしてた。

「祐輔…」

「え?」

思わず呟いた言葉に隣の咲が反応するから、あたしは慌てて口元を押さえる。

「…杏里、もしかして悠と知り合い?そっか、彼氏つくんないのも悠が原…」

「咲止めてっ!」

慌てて咲の言葉を途中で遮ってた。

だってもし祐輔に聞こえたら。

そう思ったら勝手に声が出てて。

少し大きかった声に、一瞬でみんながこちらを見る。

祐輔も…

「あ、ごめん。何でもないの、違うから。さ、仕事だよ!」

彼から目をそらして、隣の咲を見ながら笑顔でそう言った。

一瞬静まり返った空気が、また戻っていく。

「…ごめん、杏里。」

咲が小声で申し訳なさそうにあたしに呟く。

ダメだ、あたし。

こんな動揺しちゃダメ…