彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった



しばらく、あたしたちは抱き合っていた。


ずっとずっと、

時が止まってしまえばいいと思えるほど

愛しいぬくもりの中にいたかった。


「…なぁ、今日オレん家泊まんね?」

「え?だって、家族いるじゃん。ムリ!!」

あたしは赤くなって、首をふる。


「あーー、実家ってめんどくせーな…。」

祐輔が少し考えるように、あたしから離れる。

だけどお互い、右手は握ったままで。

そこから伝わるぬくもりが、嬉しい…


「よし。ちょっと待って。」

そう言って、つないでない手で、携帯を手にとる。


??


「あ、すみません。○×市の駅前にあるヒルトンホテルの電話番号教えてほしいんですけど。」



は?