「………」


目の前の女の子からの反応は無い。ぶつかった瞬間から彼女はピクリとも動きはしないのだ。


「……うんと…あの…大丈夫?」

「………」

「えっと……何ちゃん?何て名前?」

「……っ!」


すると、急にハッと我にかえったボブの女の子。慌てた様子を見せて目をキョロキョロとさせ始めたと思ったら、突如、彼女は立ち上がった。


「え!ど、どうしたの、あ、待って!」


そしてココの言葉に振り返りもせず、その場から走り去った。

そこにはポカンとした表情で彼女が立ち去った方向を見詰めるココだけが、残されたのだった。