真ん丸いボブカットのその女の子は、ココの声に顔を上げた。すると、


「――あっ、」


大袈裟なくらいに目を見開いてココの事をジッと見つめ、そのまま動かなくなってしまった。その様子には、特別な何かを感じるが……しかしココはやっぱりというか当然というか、彼女のそんな様子に気がつかない。


「ごめんねほんと、ココが前見なかったから、ほんとにごめんね!」

「………」

「大丈夫?痛いとこない?ココは全然平気…あれ?ウチのクラスの子…だよね?」

「………」

「えっと、篠宮ココです、よろしくお願いします!仲良くして下さい!」

「………」

「………」

「………」

「……えっと…あれ?」