「なんで?なんでマシロを呼んだの?」

「え?あぁ、ココの影が大きくなり過ぎちゃったから辛くって、マシロを呼んだの。マシロじゃないと影無くならないんだよ」

「無くならない?」

「うん。ココはココの所に移すしか出来ないから…。でも怒られちゃった、約束してたのに破ったから」


その言葉に、笑華は昨日のココの酷い様子、そしてマシロのココに対する様子を思い出す。……そっか、なるほど。


「マシロは、ココちゃんを心配してるんだね」


「マシロはやっぱり良い奴だね」そう言った笑華に、ココは嬉しそうに頷いた。


――ただ。直哉に至っては、静かにその言葉を吸い込んで、考えを巡らしている――そんな様子だった。