ココとマシロ



そう言ってマシロの手を握り、堪え切れずに涙を流すココを見ると、そんな気持ちは心の奥の方へと、いつも追いやられた。これだからいけないのだと思いながらも、どうしてもココには甘くなってしまう自分が居る。


「…大丈夫?もう、苦しくない?」

「…ヘーキだよ。ごめんねマシロ…ココの事、怒ってる?」

「怒ってはないよ。ただ、心配したんだ」

「…うん。ありがとう」


ココがふんわりと笑うと、それにつられてマシロも笑い、一段落した。

大分ココも落ち着いたようだった。しかし、あれだけの影を背負ったのだ。かなり力は消耗されているはず。


「ココ、立てる?」


マシロの問いでココは立ち上がろうとするが、足に力が入らない。


「…分かった。ココ、僕が運ぶから眠っていいよ」